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”狭心症になってほとんど体を動かしていない。路上でもよくつまづくありさまだ。
でも、子供を追いかけているとどこまでも走れる。
まるで子供の足跡が導いてくれているように。
魔法の足跡だ。”
無力な父
私には一人の子供がいます。その子が保育園で書いた一つの願いが、私の心に深く刺さりました。
それは、公園で一緒に遊びたいという単純な願いだったのです。
この願いを目にした瞬間、私は言いようのない悔しさを感じました。
父親として、子供のこんな小さな願いさえ叶えてやれない自分がいることに。
魔法の足跡
私は長い間、狭心症に苦しんできました。体の重さ、常に付きまとってくる痛み、そしてそれに伴う不安。
これらが私を縛り、自由に動くことさえ難しくしていました。
でも、子供の願いを叶えたいという一心で、ある日、公園に一緒に出かけました。
公園で、私は思い切って追いかけっこを提案しました。
子供の目が輝くのを見た瞬間、私の体が鉛のように重たいことなど忘れていました。
そして、奇跡のように私の体は動き始めたのです。
子供の笑顔、その無邪気な声が、私に力を与えてくれました。
まるで夢の中を走っているかのような、不思議で嬉しい瞬間でした。
エピローグ
「病は気から」という言葉をよく耳にしますが、私のこの経験は、それがどれほど真実かを教えてくれました。
少なくとも、その日の私は、病気の苦痛を忘れ、ただ子供との時間を楽しむことができたのです。
今、私は願っています。
この狭心症が、あの日の夢のような時間のように、いつかは静かに消え去ってくれることを。
そして、子供ともっと多くの時間を共有できる日々が訪れることを心から願っています。
家族と来年の桜も、再来年の桜、ずっとずっと、、、
生きて生きて、また、あの桜を見るまでは。