イントロダクション
この記事では、双極性Ⅱ型障害(躁鬱病)の躁期についての体験談が述べられています。躁期には自覚がほとんどなく、高揚した気分や無謀な行動が起こりやすくなることが特徴です。また、躁鬱病の患者にとって買い物や物欲のコントロールも困難な課題となります。記事では、躁期と鬱期の特徴や、躁鬱表というケア方法についても触れられています。
よく聞かれる質問
- 双極性Ⅱ型障害(躁鬱病)の躁期とは何ですか?
- 躁期ではなぜ自覚がほとんどないのですか?
- 躁鬱病の患者が買い物や物欲のコントロールに困難を抱える理由は何ですか?
- 躁鬱表とはどのようなものですか?どのように使われますか?
記事を読んでわかること
- 双極性Ⅱ型障害(躁鬱病)の躁期は自覚がほとんどなく、高揚した気分や無謀な行動が起こりやすいこと。
- 躁期では音楽や買い物などの行動が過度になり、物欲のコントロールが難しくなること。
- 躁鬱表というケア方法を使用することで、自身の躁期や鬱期を判断し、適切な対処法を見つけることができること。
記事を読んでほしい理由
- 双極性Ⅱ型障害(躁鬱病)やその症状について理解を深めたい人々にとって、躁期の経験談や注意点を知ることは有益です。
- 躁鬱病の患者をサポートする家族や友人、周囲の人々は、躁期において注意が必要であることを知ることが重要です。
躁期の自覚のなさと特徴
双極性Ⅱ型障害(躁鬱病)の躁期は自覚がほとんどありません。
躁期では、自分自身が気分が良くなり、やる気が湧いてくると同時に、頭の中で悪魔のささやきのような声が聞こえてきます。
「こんなことにも挑戦してみたら?今ならできるんじゃない?いや、できるよ!やろうよ!」といった声です。
躁期のエピソード:明石海峡大橋への冒険
私は当時、原付バイクがメインの移動手段だったのですが、明石海峡大橋を見たくなり、原付で片道30キロもある距離を夕方の4時に走り出しました。
冷静に考えれば、もう夕方であり、しかも原付で30キロは相応の距離です。
それでも私の頭の中には、尾崎豊の「15の夜」が鳴り響き、エンジン音に混じって口ずさみながら、明石海峡大橋に向かいました。
仕事が終わり、妻が帰宅すると私はどこにもいませんでした。
連絡をしても返事がなく、心配した妻は私の実家に相談しました。
その頃、私は明石海峡大橋に到着すると大満足で、ニコニコしながら夜の橋の明かりを眺めました。
そして、帰りのガソリンが底をついたことに気づいたのです。
それでも私は上機嫌で妻に電話をし、「ガソリンがなくなるまで走ってもた。今、明石海峡大橋にいるよ!」と報告しました。
近くのガソリンスタンドまでバイクを押して行き、何とか帰りのガソリンを調達することができました。
私は大満足で帰路につきました。
家に帰ると妻は怒り心頭でした。それでも私はニコニコしていました。
買い物の危険性と躁鬱病
買い物も大きな危険因子の一つです。躁鬱病の患者にとって、買い物は最も苦手で危険な行動です。
一度買い物を始めると止まらなくなります。
食べ物であれば食べ過ぎや満腹感で抑制されますが、物欲はそうはいきません。
特定のジャンルにはまり、そのジャンルの商品を手当たり次第に買い漁ってしまいます。
躁鬱病患者のカード破産は珍しくありません。
私自身、若い頃に一度任意整理を経験したことがあります。
冷静な時には分かるのですが、欲しいと思うと頭の中がアドレナリンで一杯になり、残高を気にしなくなります。
正確には、気付かなくなるのです。
現在でも、私は子供におもちゃを買い与えることが多いです。
子供が喜ぶ顔を見たくてつい買ってしまいます。
子供の笑顔を見るとアドレナリンが出るのです。
躁鬱表」による症状の把握とケア方法
妻はこれらの困った症状を抑えるために「躁鬱表」というものを作りました。
今も台所に貼ってあります。
気が付いた時にこの表に書かれた症状を見て、当てはまるものをチェックしていきます。
そのチェックの結果で、自分が躁期なのか鬱期なのかを判断します。
鬱期の時は昼寝やマインドフルネスをして気持ちを整え、躁期の時はやりたいことを我慢します。
そうすることで、自分の心の波を抑えます。
この表は面白く、病気に関係ないような項目も含まれています。
例えば、頭が熱い、歌を歌いたいなどです。これは妻が躁鬱の時に私に聞き取り調査をして集めたものです。
こんなケアをしてくれる妻には本当に感謝しています。
彼女のおかげで最近は波がほとんどありません。
ただし、私の場合鬱期の傾向が強いタイプで、鬱の期間が長いことが特徴です。
鬱は薬で抑制できるし、休むことである程度は回復できます。
ちなみに、鬱期の特徴としては、音楽が耳障りに聞こえたり、外出したくなくなったり、人と会いたくなくなったりすることがあります。
妻が作成した躁鬱診断表は躁期と鬱期、それぞれに約20項目ほどの特徴があります。これらの項目に当てはまる数で重症度を判断しています。
鬱期と躁期それぞれの特徴について紹介します
躁期はなんでも楽しく感じられ、ヘラヘラしています。鬱期は逆に音楽さえ耳障りで人に会うのも外にでるのも嫌になります。
私の場合ですが躁鬱表によれば躁期には頭が熱くなります。
また、怒りやすくなります。
機嫌がいいのに怒るというのは矛盾に感じるかもしれませんが、正確には興奮状態であるということです。
躁鬱病の怖さと波の揺れ動き
躁鬱病の怖さは、躁期にあります。
なぜなら、躁期の後に必ず揺り戻しの鬱期が訪れるからです。
躁鬱病は波のように揺れ動き、揺り戻しの周期が存在します。
そして、躁期では自覚がなくなり、調子が良いと錯覚してしまいます。
躁期の見た目と家族・周囲の対応
躁鬱病の患者の家族や周囲の人々にとって、躁期は見た目で機嫌がよく見えるため、特に注意が必要です。
また、全体を通してお金の管理は自分でさせないことが賢明です。我が家でも財布は妻がにぎぅています。
おわりに
この記事では双極性Ⅱ型障害(躁鬱病)の躁期についてのリアルな体験談とその特徴について触れました。
躁期は自覚がほとんどなく、高揚感や無謀な行動が増えるため、患者自身や周囲の人々が注意を払う必要があります。
また、買い物や物欲のコントロールも困難であり、患者の経済的な問題や生活への影響も考慮しなければなりません。
このような状況を抑えるために、躁鬱表というケア方法が紹介されました。自身の状態を把握し、適切な対策を講じるために、この表を活用することが重要です。
双極性Ⅱ型障害の躁鬱病は、患者やその家族、周囲の人々にとって困難な問題ですが、適切な支援と理解を受けることで、症状の管理と生活の質の向上が可能です。
躁期には特に注意が必要であり、関係者はこの状態を見逃さず、必要なケアを提供することが大切です。
最後に、躁鬱病に苦しむ方々やその周囲の方々に、支え合いと情報の共有が重要であることを念頭に置き、適切なケアや治療への導きを求めることをお勧めします。
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